新人さん、かい君に聞いてみた!給排水衛生設備ってなに?編

新人さん、かい君に聞いてみた!給排水設備ってなに?


こんにちは。株式会社郁栄です。


株式会社郁栄では現在、未経験から設備工事の世界に飛び込んだ新入社員が、給排水衛生設備や空調設備、施工管理について学んでいます。


今回登場するのは、将来、現場監督やCADオペレーターとして活躍することを目指している「さっちゃん」と、「なえちゃん」です。


設備工事について勉強を始めた二人から、こんな質問が出ました。


さっちゃん

「給水管と排水管って、どっちも水が流れる配管やんな?何が違うんやろ?」


なえちゃん

「同じ水でも、流れ方や配管のつくりが違うんかな?」


そこで今回は、株式会社郁栄のマスコットキャラクター「シロネコセツビ」のかい君と一緒に、建物の給排水設備について考えてみます。



シロネコセツビのかい君と、設備のプロを目指して勉強中の新人社員


給排水設備ってなに?


なえちゃん

「そもそも、給排水設備って、どこまでの設備を指すんですか?」


かい君

「給排水設備は、建物へ必要な水を届けて、使い終わった水を安全に建物の外へ流すための設備だニャン!」


給排水設備は、大きく分けると次の二つで構成されています。


- 蛇口や各種設備へ水を届ける「給水設備」

- 使い終わった水を建物の外へ流す「排水設備」


建物によっては、次のような設備も給排水衛生設備に含まれます。


- お湯をつくり、必要な場所へ届ける給湯設備

- 排水管内の圧力を調整する通気設備

- トイレ、洗面器、流し台などの衛生器具

- 受水槽、高置水槽

- 給水ポンプ、排水ポンプ

- 屋外排水管、排水桝

- 雨水排水設備


給排水設備は、マンション、工場、物流倉庫、商業施設、オフィス、病院、学校など、さまざまな建物に欠かせません。


普段は当たり前のように蛇口から水が出て、使用した水が排水口へ流れています。しかし、その当たり前を支えているのが、建物の天井裏、壁の中、床下などに施工された配管や設備です。


給水管と排水管は、何が違うの?


さっちゃん

「給水管も排水管も水を運ぶけど、同じようにつないだらええわけではないんやね?」


かい君

「そのとおりだニャン。給水と排水では、水が流れる仕組みが大きく違うニャン!」


給水管の中の水には、基本的に圧力がかかっています。


一方、一般的な排水管では、水が高いところから低いところへ流れる自然の力を利用します。


つまり、簡単に整理すると次のようになります。


- 給水管:水圧を利用して必要な場所へ水を届ける

- 排水管:配管の高低差と勾配を利用して水を流す


この違いによって、配管の材料、太さ、接続方法、施工時に確認するポイントも変わります。


給水管の水は、なぜ上の階まで届くの?


なえちゃん

「水は上から下へ流れるイメージなのに、どうして建物の上の階でも蛇口から水が出るんですか?」


かい君

「給水管の中の水には圧力がかかっているからだニャン。建物の高さや規模によっては、ポンプの力も使って必要な場所まで水を届けるニャン!」


道路の下を通る水道本管から取り出された水は、給水管を通って建物内へ引き込まれます。


その途中には、一般的に止水栓や量水器などが設けられます。


- 止水栓:建物への給水を止めるための設備

- 量水器:建物で使用した水量を計測する設備


建物内へ引き込まれた水は、給水管を通って、蛇口、洗面器、トイレ、厨房設備、機械設備などへ届けられます。


ただし、建物の規模や高さによっては、水道本管の圧力だけでは、必要な水量や圧力を確保できないことがあります。


その場合には、建物の条件に応じて、受水槽、給水ポンプ、増圧給水設備などを使用します。


さっちゃん

「建物が高くなったら、上まで水を押し上げる力が必要になるんやね」


かい君

「そうだニャン。でも、圧力は強ければ強いほどよいわけではないニャン。必要な場所へ、適切な水量と圧力で届けることが大切だニャン!」


給水設備を計画するときは、建物の用途、使用人数、使用時間、必要水量、建物の高さなどを考慮します。


配管が細すぎると、複数の器具を同時に使用したときに水量が不足することがあります。反対に、必要以上に太い配管を使用すればよいというものでもありません。


建物の条件に合わせて、適切な給水方式と配管口径を選ぶことが重要です。


下のイラストは、水道本管から建物内へ水を届ける流れを簡略化したものです。



水道本管からサドル付分水栓、止水栓、量水器、給水ポンプを経て、建物内へ水を届けるイメージ


※実際の給水方式、機器構成、配管方法は、建物の規模や用途、現場条件、水道事業者の基準などによって異なります。


給水管を水道本管から取り出す方法


さっちゃん

「道路の下にある太い水道本管から、どうやって建物の給水管を取り出すん?」


かい君

「水道本管にサドル付分水栓などを取り付けて、そこから建物へ給水管を引き込む方法があるニャン!」


サドル付分水栓は、水道本管を抱き込むように取り付けるサドル部分と、水を取り出すための分水栓が一体になったものです。


水道本管そのものは、その先の地域へ水を届けるために続いています。建物への給水管は、本管の途中から分岐して引き込まれます。


施工方法や使用できる材料は、水道事業者や地域によって基準が定められています。そのため、実際の施工では、現場の図面や仕様だけでなく、所管する水道事業者の基準を確認することも必要です。


排水管にもポンプを使うの?


さっちゃん

「排水も給水みたいに、圧力をかけて流しているんかな?」


かい君

「一般的な排水は、給水とは違って、高いところから低いところへ流れる力を利用しているニャン。そのため、排水管には適切な下り勾配が必要だニャン!」


トイレ、洗面器、流し台などで使い終わった水は、排水管を通って建物の外へ流れます。


一般的な排水管は、水が自然に流れるように、屋外の排水桝へ向かって下り勾配をつけて施工します。


勾配が適切でない場合、排水が流れにくくなり、水や汚れが配管内に残る可能性があります。それが、詰まりや悪臭などの原因になることもあります。


なえちゃん

「排水管は、つながっているだけでは駄目なんですね」


かい君

「そうだニャン。排水管では、管の太さや接続方法だけでなく、勾配がとても大切だニャン!」


ただし、地下や建物の低い場所など、自然な高低差だけでは排水できない場合もあります。


そのような場所では、排水槽に一度水をため、排水ポンプを使って、排水可能な高さまでくみ上げることがあります。


つまり、排水は原則として自然流下を利用しますが、建物の条件によってはポンプを使用することもあります。


建物から出た排水は、どこへ流れるの?


建物内の排水管を流れた水は、屋外排水管を通って排水桝へ流れます。


排水桝には、排水の流れを合流させたり、方向を変えたりする役割があります。また、詰まりや不具合が発生したときに、点検や清掃を行うための場所にもなります。


敷地内の排水は、排水桝を経由して公共桝へ送られ、最終的に道路下などにある下水道本管へ接続されます。


なえちゃん

「排水桝は、水を流すだけでなく、点検や清掃のためにも必要なんですね」


かい君

「そのとおりニャン。完成後のメンテナンスを考えて、桝の位置や配管ルートを計画することも大切だニャン!」


排水管には、なぜ通気管が必要なの?


なえちゃん

「研修で“通気管”という言葉が出てきました。水が流れない配管も必要なんですか?」


かい君

「通気管は、排水管の中へ空気を出入りさせるための配管だニャン。排水をスムーズに流して、排水口の臭いを防ぐ封水を守る大切な役割があるニャン!」


排水管の中を大量の水が流れると、管内の空気が押されたり、引っ張られたりして圧力が変化します。


この圧力変化によって排水の流れが悪くなったり、洗面器などのトラップにたまっている水が吸い出されたりすることがあります。


トラップにたまっている水は「封水」と呼ばれています。


封水には、下水側の臭気や害虫が室内へ入ることを防ぐ役割があります。


さっちゃん

「この水がなくなったら、下水の臭いが上がってくることがあるんやね」


かい君

「せやねん……じゃなくて、そのとおりだニャン!封水を守るためにも、通気設備が大切なんだニャン!」


通気管は、排水管内の圧力を調整し、排水をスムーズに流すとともに、トラップの封水を守るために設けられます。


建物の種類や規模、排水系統によって、伸頂通気方式、ループ通気方式、各個通気方式など、さまざまな方法が使用されます。


下のイラストでは、建物内の排水が下り勾配によって屋外桝へ流れ、さらに下水道本管へ接続される様子と、通気管やトラップの役割を紹介しています。



排水管の勾配、洗面器のトラップ、通気管、屋外桝、下水道本管の関係


※イラストは仕組みを分かりやすく説明するために簡略化しています。実際の配管方式や必要な通気設備は、建物の用途、規模、器具数、関係基準などによって異なります。


水栓の吐水口と洗面器の間にも決まりがあるの?


なえちゃん

「洗面器の水栓は、洗面器から少し離れた位置に取り付けられていますよね。これにも意味があるんですか?」


かい君

「水栓の吐水口と洗面器のあふれ縁との間には、必要な吐水口空間を確保するニャン。汚れた水が給水管側へ逆流することを防ぐためだニャン!」


給水設備では、きれいな水が汚染されないように、逆流を防止することが重要です。


その対策の一つが、給水栓の吐水口と、洗面器などのあふれ縁との間に適切な空間を設けることです。この空間を「吐水口空間」と呼びます。


必要な距離は、給水管の口径や器具の形状、関係する基準などによって異なります。


見た目だけで判断するのではなく、適用される基準や器具の仕様を確認したうえで施工します。


完成すると見えなくなるからこそ、施工中の確認が大切


給水管や排水管の多くは、建物が完成すると天井裏、壁の中、床下などに隠れます。


さっちゃん

「完成したら見えへんようになる配管は、いつ確認するん?」


かい君

「隠れる前に、配管の位置、接続、勾配、支持金具などを確認するニャン。必要な試験と工事写真の記録も、とても大切だニャン!」


株式会社郁栄では、配管を施工するときに、次のような点を確認しています。


- 図面どおりの位置に施工されているか

- 使用場所に適した材料が使われているか

- 配管が確実に接続されているか

- 排水管に必要な勾配が確保されているか

- 配管を支える金具が適切に取り付けられているか

- 建築部分やほかの設備と干渉していないか

- 点検や修理を行いやすい納まりになっているか

- バルブや機器を操作できる空間があるか

- 漏水や圧力低下がないか

- 隠蔽前の工事写真が記録されているか


配管施工では、管の種類に合った継手や支持金具を使用することも重要です。


例えば、HIVP(耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管)の直管同士を接続するときは、用途に適合する継手や接着剤などを使用します。


天井部分に配管する場合は、吊りバンドや全ねじボルトなどで適切に支持し、配管のたわみ、振動、接続部への負担を抑えます。



HIVPのソケット接続と、吊りバンドによる配管支持を確認する様子


さっちゃん

「配管がつながっているだけやなくて、継手や吊り方まで確認せなあかんのやね」


なえちゃん

「完成したら見えなくなる場所だから、写真にもきちんと残しておくんですね」


かい君

「そのとおりだニャン!管の種類、継手、支持方法まで確認することが、長く安心して使える設備につながるニャン!」


必要に応じて、圧力試験、満水試験、通水試験などを行い、漏れや不具合がないことを確認します。


見えなくなる部分まで丁寧に施工し、その記録を残すことが、建物を長く安心して使用していただくことにつながります。


コデさんの参謀メモ


ここで、シロネコセツビ計画の参謀役「コデさん」に、施工管理で大切なことを聞いてみましょう。



設備・人員・工程を整理し、積算や見積りも行い、社長を支えるシロネコセツビの参謀役「コデさん」


コデさん

「施工管理では、完成した状態だけを見るのではなく、“なぜこの材料、接続方法、支持方法を採用したのか”を説明できることが大切です」


設備配管には、用途や施工場所に応じて、さまざまな種類があります。


同じような色や形に見える配管でも、材質、用途、圧力、接続方法が異なる場合があります。そのため、見た目だけで管種を判断してはいけません。


施工前と施工中には、次の資料や情報を照合します。


- 設計図

- 仕様書

- 施工図

- 施工要領書

- メーカーの技術資料

- 使用材料の承認資料

- 現場の施工条件

- 関係法令や事業者の基準


コデさん

「図面と現場、材料と施工方法、品質と工程を結び付けて考える。それが施工管理者の役割です。記録は、工事が適切に行われたことを将来へ伝える大切な資料にもなります」


新人社員も、設備のプロを目指して勉強中です


今回質問してくれたさっちゃんとなえちゃんも、給排水設備の仕組み、工事の流れ、安全管理、施工写真の撮影方法、図面の読み方などを、一つずつ学んでいます。


設備工事の世界には、初めて聞く専門用語がたくさんあります。


分からないことをそのままにせず、


「なぜ、この設備が必要なのか」

「水は、どちらへ流れるのか」

「完成後に点検や修理ができるのか」

「この施工方法で安全と品質を守れるのか」


と考えながら学ぶことが、将来の安全で品質の高い施工につながります。


さっちゃんと、なえちゃんは将来的に1級管工事施工管理技士などの資格取得を目指し、現場全体を管理できる施工管理者として、またCADによる施工図作成能力を身につけ、CADオペレーターとして活躍することを目指しています。


二人とも、今はまだ設備について学び始めたばかりです。


しかし、未経験だからこそ生まれる素朴な疑問には、設備の仕事を分かりやすく伝えるヒントがたくさんあります。


株式会社郁栄では、資格取得や実務教育を通じて、一人ひとりが設備工事のプロとして成長できる環境づくりに取り組んでいます。


技術者と技能者、それぞれが一流を目指せる会社へ


設備工事には、図面、品質、安全、工程などを管理する技術者だけでなく、実際に配管を加工し、正確に施工する技能者の力が欠かせません。


株式会社郁栄では、施工管理者やCADオペレーターの育成とともに、現場で施工を担う技能者の育成にも力を入れていきます。


現場で技能を磨く社員には、1級配管技能士や登録配管基幹技能者などの取得を目指してもらい、単に作業を行うだけではなく、知識、経験、判断力を備えた一流の技能者として活躍してもらいたいと考えています。


施工管理、CAD、配管技能。


それぞれの役割を尊重し、互いに協力しながら成長していくことが、株式会社郁栄の目指す設備工事会社の姿です。


次回も新人さんの疑問にお答えします


次回も、さっちゃんとなえちゃんが研修中に感じた疑問を、かい君とコデさんが分かりやすく解説します。


普段は天井裏や壁の中に隠れている設備の役割や、設備工事の面白さを、シロネコセツビの仲間たちと一緒にお伝えしていきます。


株式会社郁栄では、工場、物流倉庫、商業施設、オフィスなどを対象に、給排水衛生設備工事、空調設備工事、各種配管工事を行っています。


配管の新設・更新、機器の入替えに伴う配管工事、漏水・腐食箇所の改修など、設備や配管について気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。


また、設備工事や施工管理、CADの仕事に興味をお持ちの方からのお問い合わせもお待ちしています。


未経験からでも、一つずつ学び、資格と技術を身につけながら成長できる会社を目指しています。